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シャーロック・ホームズと言えば、イギリスの小説家 コナン・ドイルが生み出した有名な名探偵だ。
「『シャーロック・ホームズの冒険』に『シャーロック・ホームズ 最後の事件』。 揃ってんなぁ」
「探偵の第一歩って、ホームズからだと思うの。 世界には、星の数ほどの名探偵がいる。 でも、ホームズはその中でも一際強い光を放って輝いてる」
楽しそうにホームズの小説を本棚から一冊抜き取ると、優月はそれを奏多に渡す。 タイトルは『緋色の研究』。
「? ……何これ?」
「ホームズシリーズ記念すべき第一作。 貸してあげるから読んでみて。 探偵の第一歩よ」
「はあ。 ……って、探偵部に入る気は無いって! 何自然な感じで勧誘してんの!? あんたは探偵じゃなくて一流詐欺師ですか!?」
ついつい流れに乗せられて小説を受け取ってしまったが、危ない危ない! 俺の平和な日常を壊されるとこだったぜ!
奏多は心から思った。 早く帰らないとヤバい。 と。
しかし、優月は全く悪びれずに凛とした笑顔で言う。
「探偵に必要なものは話術。 上手く相手を誘導させることが大事なの。 そういう点では、詐欺師とも違いは無いわ」
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