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「え? 何? なんで当たり前のことを確認してんの?」
「もうちょっとオブラートに言ってぇっ!!」
このままでは夏休みというバカンスを全て奪われてしまう! そう直感した奏多は補習回避の為に動き出した。
「いやぁ、美空先生はホントにキレイですよねぇ。 男がほっとかないでしょう」
「あらアリガト♪」
俺流補習回避の為のその一。
相手を褒めて褒めて褒めまくれ!
「ホントにキレイですよねぇ。 肌もツルツルして。 三十代とは思えません」
「……私、二十七なんだけど」
やってもうたーっ!! いや、落ち着け俺! 補習回避の為のその二に移行だ!
「ああ!! そういえば俺、夏休み中はずっと家族で海外に行くって父さんが……」
補習回避の為のその二。
適当な嘘で誤魔化せ!
「そう。 じゃ、夏休みまでの二日間、ミッチリ勉強しましょう。 徹夜で、他の先生方にも協力してもらって」
「いや、あの……それはちょっと……。 ほら、旅行の準備とか忙しいし」
「じゃ、お父様に連絡して神崎君だけ残らせましょう」
「だあああっ!! いいです、いいです! 俺から連絡しときますから!」
予想以上に美空は強かった。 奏多は勝てないと瞬時に悟る。
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