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千年前ー
神尾家総本山――――
「ぐ…グウェぇぉああぇおあー!」
天使の様な姿をした、白い化け物が、叫び声をあげている。
また、袈裟を来ている坊主の男五人が、その化け物を囲み、なにやら呪文を唱えてもいる。
…すると、
化け物の下に五芒星の光が出現。
さらにその光は、一本の紐となり、化け物を縛りつけて、身動きできないようにする。
「この世の悪を浄化し、永久の封印を―」
五人が口を揃えて呪文を唱える。
すると、化け物は縛られながら、五メートルほど空中に浮く。
「では…神尾様。お願いします。」
「うむ。」
大きな祠(ほこら)から二人の男が現れた。
その中でも、神尾様と呼ばれていた男が、右腕を高く突き上げると、腕に炎が纏われた。
「カミナ…貴様が最後の一匹だ。…闇の中に消えよ!」
そう言うと神尾は、腕に纏った炎を、化け物へと放つ。すると炎は、竜の姿に変わり、化け物を喰らいつくす!
「ギィャヤァああぁ!!」
…化け物は悲鳴と共に形を失い、そして光の玉へと変化した。
神尾はその光を壺の中に入れ、祠の中にかたく封じ込めた。
「…これで、平安の世が続く。」
そして、物語は千年後の、西暦20XX年―
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