第1章 闇に隠れた死

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3時間パックとフリータイムのコースがあり、悩んだ末、フリータイムのチケットを購入した。 館内は程よく空調が効き、心地良い空間を醸し出している。 不要な荷物をロッカーに預け、貴重品だけ身につけ、階段を上り、屋上のスポッチャへ向かう。 赤羽はさっきまでの眠そうな顔が嘘のように、元気になっている。 屋上は四面がネットで覆われ、見上げると、青く澄み切った空が窺える。 俺達の他に、同じ大学生であろうグループが二組、遊んでいる。 一組は俺らと同じで男四人組、もう一組は男二人、女二人。 「あの子可愛いなー」 田中がバドミントンをしている男女四人の中の一人の女を見つめて呟く。 「じゃあナンパすれば」 赤羽が澄んだ顔で田中に言う。 「ダメだろー。男二人いるし」 田中が残念そうな顔をする。 「フットサルしようぜ」 栗林の提案に他の三人は頷き、コートに入る。
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