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俺・赤羽、田中・栗林でコンビを組み、試合を開始する。
久しぶりに体を動かしたせいか、すぐに息切れする。
赤羽は持ち味の運動神経を活かし、果敢にもゴールを攻める。
田中も、わーわー騒いでボールを適当に蹴っている。
俺は殆ど、ゴール前に立っていて、キーパーをした。
10分後、俺と田中が疲れた、と申し出たため、試合終了となった。
結果は互角。まぁ赤羽と栗林の勝負だったと言ってもいいだろう。田中は騒いでただけで、俺も突っ立ってるだけだった。
「疲れた。俺、ちょっとそこのベンチに座ってるからお前ら適当に遊んでていいよ」
田中は死にそうな顔をしている。
「俺も少し休むわ」
俺も赤羽と栗林に告げ、ベンチに座る。
「じゃあ俺らはバッティングしてくるよ」
栗林はそう言い、赤羽とバッティングマシンへ向かっていく。
「はぁー、疲れた」
田中が嘆息を漏らす。
「そうだな。運動しないと体力がもたない」
「まぁな。俺もお前みたいに可愛い彼女が欲しいなー」
「話が逸れすぎだよ。まぁお前ならすぐ出来るよ。素晴らしい女神がきっと現れるよ」
「素晴らしい女神かぁ。早く現れないかなぁ」
田中が笑いながら言う。
少しの間、二人の間に沈黙があった。田中は相当疲れたようで、目を閉じている。
稍あって、赤羽と栗林が戻って来た。
「ダメだ、あんなの。全く打てねぇよ」
「俺も。ボールが見えないよ」
二人は感想を述べる。
「じゃあ降りるか」
田中が立ち上がり、階段を降りていく。
それに倣って、俺も降りる。
時刻は13時過ぎ。俺の腹は音が鳴っていた。
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