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もうすぐ夕方なので、あまり時間はない。
しかしそれはそれでいい。
俺は昔から動物が好きだ。
小さい頃から猫を飼い始め、犬やハムスターも飼った。
昨年、三代目の猫が死に、今は何も飼っていない。
幼稚園の頃は動物園独特の、あの臭いが苦手だった。
しかし何回も動物園に来ることによって、その臭いは別に何とも感じなくなった。
夏美にこの話を何回しただろう。
横に座っている夏美をちらりと見る。
携帯を弄っている。
夏美の携帯はiphoneだ。
俺はしばしば夏美からiphoneにしなよ、と言われる。
しかし俺は文字盤を押す普通の携帯のほうがいい。
俺の視線に気付いたのか、夏美の目が合った。
「何?」
「いや、それ使いやすいのかなーと思って」
「どうだろうね。携帯というよりはパソコンを小さくした感じだからね。でも私は使いやすいと思うよ」
俺は、へーと感心した仕種を見せた。
他愛ない世間話をしていたら、いつの間にか上野駅に到着した。
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