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03 アイツが何言ってるのかを、すぐに理解出来たのは僕だけだ。 別にどの国の言語をつかさどっていようが、僕にはそんなの関係ない。 大事なのは、あいつが頑固でバカがつくつらいの家族想いな奴だったって事。 家族の為に生きてる様なもんだったって事。 アイツの生き方は、だから、とてもスマートだ。 言葉が話せないってだけで十分面倒なはずなのに、友人として付き合うなら、言葉の壁くらいあってもいいから、アイツみたいな男の方が隣の韓国人よりずっといいと言い続けてきた。 言葉の壁と言っても、アイツの場合、悪口なら言ったそばから怒りだすんだ。 (ほんと、隠れた才能だよお前のソレは。) 僕らは言葉を教え合いながら何でも話せる仲になっていた。 アイツは僕を特別視するどころか、説教垂れる位に逞しくなり、最近では僕が遠慮している位だ。
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