プロローグ

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「…!動いたわ!」 切迫した緊張感の高まるなか、 シズカが小さく言った。 黒い影が横切る。 「ヤツか…。」 タカの額の脂汗がにじむ。 「間違いない。確かに見たもの。」 シズカがきっぱりと断言した。 「何処だ、何処にひそんでいやがる…。」 タカはピストルを構えて歯ぎしりをしている。 「落ち着くのよ。タカ。動けばヤツに知られてしまう。」 静かな張りつめた時か流れた。 「チキショー、何処だ!」 「タカ!」 「いたか?」 「その壁の向こうへ逃げ込んだわ!」 「よし…狙い打ちにしてやる。」 ゆっくりと足音を忍ばせて タカとシズカは影が逃げ込んだ壁に背中をつける。 持っていたピストルを構えた。 「打つぞ…。」 「ええ。」
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