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(ちっ…近い!!)
眞生は、奏哉との距離に固まってしまい動けなくなった。
27歳とは思えない、少年のような瞳をした奏哉は見た目は若いが独特な落ち着いた雰囲気を持っていた。
(きれいな瞳に吸い込まれそう…。)
2人の視線が絡み合った瞬間に玄関の扉が開いた。
「奏に眞生はこんなとこで何してるの?」
あきれ顔の女性は2人を見比べながら言った。
「姉ちゃん!」
「美生。」
眞生と奏哉の言葉が一緒に発せられた。
「はい。美生ですけど?」
にっこりと眞生の姉…美生は答えた。
そう…眞生と美生は2人姉妹で美生は眞生の4歳年上の20歳だった。
そして、奏哉はそんな美生と付き合って1年目の彼氏だった。
「奏兄が姉ちゃんを待ってて私を退屈しのぎにからかってただけよ。待ち合わせは外にしてよ!自宅の鍵を奏兄に渡すのおかしいって前から言ってるじゃん?」
眞生は、奏哉を避けつつ靴を脱いで玄関にあがった。
「奏は家族みたいなものでしょ?別にいいじゃない?」
美生は同感を求めるように奏哉に微笑んだ。
奏哉も見つめて微笑む。
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