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土手に一人の女の子が座っている。
制服を着ていて、腰まである長い黒髪が風になびいている。その髪を夕日が赤く照らして、とても綺麗だ。
僕はしばらくみとれて動けなかった。
少しの間離れたところから見つめていたけど、女の子はぴくりとも動かない。
僕は少し近づいてみることにした。
女の子は、何冊か積んだ分厚い本を前に、しゃがんでいた。
よく見ると、両手をあわせているようだ。
――何をしてるんだろう?
僕はいよいよ近づいて、女の子の後ろに少しだけ離れて立つ。
本の上には、ろうそくのような、アロマのような物が置かれており、そこからは、少しひかえめな細い煙がたちのぼっていた。
どれだけ見つめても何をしてるのかよくわからなかった僕は、思い切って、直接聞いてみることにした。
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