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次の日も、また次の日も、男の子は俺達を笑わせるようなバカッぷりを発揮した。。
ダサ男観察
それが、俺と慎吾のささやかな朝の楽しみになりつつあった頃…。
「アレ?今日あいつ居ないな。」
「…だな。まぁ、あの馬鹿っぷりだし、怪我でもして休んでんだろ。」
「まぁ…な。でもいないとなんつうか…朝が始まらないっつうか…」
「あ!分かる分かる。」
そんな会話をしてた…。
だけど、次の朝にはちゃんといて、それで何故かホッとする自分がいた。
そして、それから更に数ヶ月がたったある日、俺と慎吾は学校をサボって駅の辺りをウロウロしてた。
特に行くあてもなく、近くにある図書館の裏の公園でダベろうって事になった。
…行ってビックリした。
制服姿のあの男の子が居たのだ。
しかも、木陰でタバコを吸いながら携帯を面倒臭さそうにいじって…
「なぁ…斗雷…」
「…あぁ…あれ、ダサ男だよな…」
「おぅ…。」
彼は、俺達に気付く事なく、タバコをうまそうに吸いながら、電話を耳に当てだした。
「…もしー?…よっす!つか、今何してるだぁ?…うん、うん…お前もサボりか!…あはは、んじゃ、遊ぼぜ~ぃ。…うん、うん、分かったぁ~、駅で待ってる。…んじゃね~!バイバイビ~!」
固まる俺達に今だ気づかないでいたので、見つかる前になぜだが隠れた。
「…よっこいしょっと!」
そしてジジイみたいな事を言いながら立ち上がり、ケツに着いた草やゴミを掃って爽快に消えさって行った…。
「……あいつ、本当にダサ男か?」
「…多分…まさか、サボりとかするような奴には見えんかったけど…」
「…うん…何か、見たくねぇもん見ちゃったな。」
「…だな…。」
俺達は、なんとも言えない空気になり、その後ダベるでもなく、無言で木陰に座って暇を潰した。
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