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ブゥゥゥン
遠くから車の走る音が聞こえて来る。
朝も早くからご苦労なこった…。
そんな事を考えつつ、自販機を目指していると、遠くの方から聞こえていた車の音が、段々と近づいて来る。
朝の静かで癒されるこの時間に、出来れば大きい音とか聞きたくない…。
そんな小さい事にイライラしつつ、更に歩く。
あぁ…梓さんとデートしたいなぁ…。
朝早く、こうやって静かで落ち着く雰囲気の中を一緒に歩いて…
何気ない会話をしながらゆったりとした時間の中、二人で歩くんだ…
そんで俺が梓さんの手を握ると、梓さんは恥ずかしそうに握り返す。
その反応を見て、俺がニコリと笑うと、梓さんもあの眩しい笑顔で笑い返してくれて…
ブゥゥゥン!ブゥゥゥン…
っち、さっきから車うるせぇ…。
人が妄想してる時に…。
車の音が、大分近くなってきた。
それにイライラしながら、十字路に差し掛かった時…
「うわっ!!」
ドン!
キキィィィイ
予想以上に飛ばしていた車にぶつかった…
幸い、膝と腕をぶつけただけで我慢出来る痛みだが…。
俺は、咄嗟にぶつかって来た車の運転席の人物に目を向けた。
「……っえ!?」
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