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「ごめんなさい!!大丈夫ですか!?」
ぶつかった時の衝撃で、尻餅を着いていた俺の所に梓さんが駆け寄って来て慌てながら聞いてきた…
ドキン
正面から見る梓さんの顔は、やっぱり息を飲む程綺麗だ…
ただ、見ているだけで凄く幸せになれる…
「あっあの…ッ!」
「あっ、だ、大丈夫です!」
俺が暫くポカンとして梓さんに見とれていると、泣きそうな顔をしてそう言ったので、慌てて答えた。
「…本当ですか?…あの、本当にごめんなさい!」
「ほ、本当に大丈夫ですから!ほ、ほら!」
俺は、興奮状態に陥っていて、上手く力の入らない足でぎこちなく立ち上がり、咄嗟にボディービルダーのようなポーズで、腕を曲げ伸ばしした。
あ!
つか恥ずかしく!
咄嗟になんてことしてやがる!俺!
「…プッ…本当にだ、大丈…夫何で…プッ…すか?」
梓さんは、泣きそうな顔のまま、再度俺に問い掛けてきた。
……所々、吹き出している事と、時折笑いを我慢したかのように、不自然に歪む口元が気になるが…。
「あ、はい!本当に大丈夫ですから、お気になさらないで下さい…。」
俺がそう言うと、本当ですか?、と、心配そうに聞いた後、俺のぶつかった腕と膝に目を落とした。
そして……暫しの沈黙が流れる。
梓さんには重たい沈黙かもしれないが、俺にとってはそれ所じゃ無いほど頭がいっぱいだった。
梓さん…やっぱり綺麗だ…
てか、こんな偶然有り得るか?普通。
こんな時間に梓さんに車で引かれるなんて…
しかも、ぶつかった俺は超軽傷…
もしかしたら、
神が俺が梓さんと仲良くなれるチャンスをくれたのかもしれない。
そうだ…!
そうとしか思えない!
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