27人が本棚に入れています
本棚に追加
ガチャ
「どうぞ。」
梓さんが助手席側のドアを開けてくれたので、ドキドキしながら乗り込んだ。
「あ、ありがとうございます!」
あぁ…いい匂い…。
「あの…何処に行きます?」
運転席に座り、俺の方をチラっとみながら聞いてきた。
何処いこう……
あ!
あそこの公園がいい…!
高台みたいになってて町を一望できるし、人もいない…。
「あ…あの…星岡公園ってしってますか?」
「う、うん。」
「よかったら、そこに行きません?」
「いいですね…それより、森山さんって多分自分と同い年ですよね?」
コンビニで名札を見てくれていたので、俺の名前をしっている梓さん…。
「は、はい!多分…。俺、今年で18になります。」
「あ、ならやっぱり同い年ですね!なら、自分なんかに敬語使わなくていいですよ?」
「そ…う?じゃ、じゃぁ、あ…じゃなくて、名前聞いていい?」
あぶねっ
危なく梓さんって言いそうになった…
「あはは、自分梓って言います。あ、森山さんの下の名前って何ですか?」
「梓さんかぁ…あ、俺下の名前は斗雷(トライ)っていいます!…って、梓さんも敬語外してくださいよ!」
「う、うん。分かった…カッコイイ名前だね!」
梓さんは、車を発信しつつ、ぎこちないタメ口に口調を変えた。
っく~!
萌えー!!
「カッコイイ…かな?ありがと。でも、渡来人とか言われてたまにからかわれるけど」
「あはは、渡来人面白いね。あ、あと梓さんって呼ばなくてもいいよ?昔みたいに呼んでくれて…。」
梓さんは笑いながらそう言ったが、俺の頭には?マークが浮かんだ。
……?
昔?
梓さんとこうやって話すのも初めてなのに…
もしかして、保育園が一緒だったとか…?
……う~ん…
良く覚えてないけど、保育園の時に梓って子がいた覚えもいし…。
じゃ、昔って何の事だ??
「……ダサ男…。」
「えっ!?」
俺が頭を捻っていると、梓さんがそう呟いた…。
「昔、駅で自分の事ダサ男って呼んでたでしょ?」
「えっ、あっ…あのっ!?」
えっ?えっ!?
もしかして俺と慎吾の会話が…聞こえてた!?
やべっ
やべぇよ!
どうしよう!!
「…あ、あの、自分は気にしてないから大丈夫だよ?」
慌てる俺の反応を見て、梓さんが気まずそうに言った。
最初のコメントを投稿しよう!