4/27
前へ
/93ページ
次へ
その後も、コンコンと接客して行き、大分時間がたった。 ふと、時計に目を移してみる。 7時56分… そろそろ来る頃か…。 どうしよう… 今更だけど緊張してきた。 今日こそ、声かけてみようかな…。 いやいや… 接客の時のやり取りだけで精一杯なのに出来る訳ないか…。 もし、かけるとしたらなんて… そんな事を考えながら窓の外を見ていると、見慣れた白いマーチが道路を走ってるのが見えた。 その瞬間、一気にアドレナリンが分泌される……されてる気がした。 そして、店の前に差し掛かった。 …くるか?くるか? …… キターーーっ!! 彼が車を駐車場に止めて、財布をポケットに入れる様子を見ながら思った。 ふむ…今日は大人風か…昨日は可愛い風だったけど……なんとも色っぽい。 因みに大人風とか、可愛い風とかは俺が勝手に付けた彼の髪型だ。 今日は、長めの前髪を左右に流してて、大人っぽいTシャツとジーパンをはいている。 そんな事を考えてる間に自動ドアが開き、センサーに反応したチャイムが嬉しそうになった。 俺は、格好つけて、少し怠そうに…けれど、大きな声で言った。 「いらっしゃいませー!今晩はー!!」
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加