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その後も、コンコンと接客して行き、大分時間がたった。
ふと、時計に目を移してみる。
7時56分…
そろそろ来る頃か…。
どうしよう…
今更だけど緊張してきた。
今日こそ、声かけてみようかな…。
いやいや…
接客の時のやり取りだけで精一杯なのに出来る訳ないか…。
もし、かけるとしたらなんて…
そんな事を考えながら窓の外を見ていると、見慣れた白いマーチが道路を走ってるのが見えた。
その瞬間、一気にアドレナリンが分泌される……されてる気がした。
そして、店の前に差し掛かった。
…くるか?くるか?
……
キターーーっ!!
彼が車を駐車場に止めて、財布をポケットに入れる様子を見ながら思った。
ふむ…今日は大人風か…昨日は可愛い風だったけど……なんとも色っぽい。
因みに大人風とか、可愛い風とかは俺が勝手に付けた彼の髪型だ。
今日は、長めの前髪を左右に流してて、大人っぽいTシャツとジーパンをはいている。
そんな事を考えてる間に自動ドアが開き、センサーに反応したチャイムが嬉しそうになった。
俺は、格好つけて、少し怠そうに…けれど、大きな声で言った。
「いらっしゃいませー!今晩はー!!」
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