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「ありがとうございます。」 「いえいえ、ではこちらの申込書に必要事項をご記入ください」 俺がそう言ってペンを渡すと、スラスラと書きはじめた。 なんとなく 周りを見回してみる… 俺達以外誰もいない。 いい雰囲気だ。 「かけました。」 「はい、では失礼します。」 俺は、受け取りながら名前の欄を見た。 トウドウ アズサ 藤堂 梓 成る程… 梓さんか…。 梓さんは、俺の名札を見て苗字は知ってるが、俺は名前が知れただけでも大収穫だ。 「ありがとうございます。半月程で届きますので。」 「はい!…それより…あの…。」 何かいいたげにしている梓さんに萌えていると、ふと、思い出した。 「あ、ケーキですね!少々お待ち下さい!」 「はい!」 俺は走ってケーキを取りに行った。 そして、戻ってきて手渡した。 「ありがとうございました!」 「いえいえ、こちらこそ。また起こしくださいませ!」 だんだん遠ざかって行く梓さんの背中にそう言って、小さくガッツポーズをした。
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