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戦いが終わり、千里という少年の体から黒い靄が出てきたかと思うと、先程の綾鷹千里が連れていた黒い狗獣が現れた。
その姿を確認した班長は、
ゆっくりとした足取りで歩みを
進める。
俺はそれについて歩いた。
『千里………』
班長は彼の姿を見た時
様子がおかしかった
懐かしそうな……でもどこか
哀しそうな声でそう呼んだ
彼と班長は顔見知りなのか…?
そうこう考えているうちに
綾鷹千里の傍まできた
綾鷹千里は蹲る些原を、氷るような冷たい目付きで見つめている
ふと、綾鷹千里の目が俺達の方へと向けられた。
「──────…ッ」
吸い込まれそうなくらい闇の深い瞳……
それと比例する漆黒の狗獣
そして“黒い炎”…
全てが黒で統一された姿は、闇そのもののように感じる────…
向き合ったまま、二人は動かない
いつもの気楽そうな班長の表情は、俺でも見て取れるくらいに辛そうだった
妙に緊迫した空気が漂う
そんな中、先に口を開いたのは
綾鷹千里の方だった
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