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暴れ回る黒い狗獣。
俺は我を忘れ、ギュウっと抱き締めた。
「キュ、キュ~…(し、死ぬ~…)」
「な、凪……泡吹いてるぞ」
「え……」
班長に言われ、ハッと狗獣を見てみると、白目を向いていた。
俺は慌てて力を緩め、綾鷹千里を見る。
「ご、ごめん………つい…」
頭を掻いて苦笑いすると、綾鷹千里は、ははっと笑った。
「大丈夫ですよ。もっと抱き締めてやってください」
「キュー!!キュキュキュキュー!!(助けろよ!!こいつは本気でオレを絞め殺す気だ!!)」
「え?なになに?あんたとゆっくり散歩したい?無理言うなよリラン。この人たちは忙しいんだ。
我が儘言っちゃダメだろう」
「キュ〰〰!!(言ってね〰〰!!)」
狗獣は俺の腕の中で牙をみせて
キュッキュ鳴いた。
黒いのにキューとか……
ギャップが!可愛すぎっしょ!
狗獣のギャップの可愛さにも驚いたけど、もう一つ驚いた事がある
「俺、綾鷹千里って言います。
その黒いのはリラン。よろしく」
「え?」
「これから色々お世話になるだろうから、挨拶をと思って」
手を出してにっこり笑う綾鷹千里
さっきと……戦ってる時とは
まるで別人だ…
すげぇギャップ……
「えっと………俺は神野凪です。ついこの間、調査隊第五班に入隊した新人っす」
俺は戸惑いながらも差し出された手を握り、握手した。
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