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続く沈黙。
一瞬だけ普通に話していたが、
俺が質問した途端、最初の微妙な空気に戻ってしまった…
なんかごめんなさい
俺は何だか申し訳なくって
二人をチラチラ見ると下を向いた。
するとさっきまで黙っていた千里が、呟くように口を開いた。
「拾われたんだよ……」
「……え?」
「俺が八歳のころ、親に捨てられて……スリやったり、店に並んでるもの盗ったりして生きてた時、失敗って盗った奴に捕まって……ぼこぼこにされてあーこりゃ死んだなーって思った時、俺は奏人さん“達”に拾われた」
「……た、たちって事は班長以外にもいるのかなっ?」
俺は敢えて前半部分に触れないように、話題を振った
あまり触れてはいけない気がしたから……
てか声裏返った……
「……………」
あれ……
何か……また変な雰囲気に……
またやっちゃったのか俺!?
・・
「いたよ」
「え?な、何が?」
「拾ってくれた人、奏人さん以外にも一人いたよ」
「あ、そそっか!い、いい人だねっ」
最悪だぁ……
聞いた事忘れるとか……
俺は更に申し訳なくなって、
もう自分でも何言ってるか分からないくらいテンパった。
「本当に………いい人だった」
そうだよね
拾ってくれた人だもんね!
「でももういない」
「え?」
「4年前
俺が殺したから」
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