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―シガル街頭・飲食店―
賑わう街中
その街にあるとある飲食店に、
彼はいた
「変なヤツ………まぁ前からだけど……ていうか昼食が…」
癖のある黒髪
白いインナーに、黒のフード付きロングコートを身に纏い、袖を捲り上げた腕には銀のアクセサリーがいくつもついている。
少年は深くため息をつくと、ガタンと席を立った。
そして出口に向かって歩きだした。
「あっ、あの……お客様、
まだご注文のものが…」
「ああごめん、やっぱいいや。
ちょっと用事が出来たから……
また来るよ」
「は、はい……」
「行くぞ、リラン」
少年がそう言うと、少年の後をついていくように、真っ黒な動物が店員の足下を横切った。
「ちょっとー、今のお客様チョーかっこ良くなかった!?」
「私もそれ思ったー!こんなに早くお店出てっちゃうなんて………もっと見とくんだったなぁ」
「ていうか……変わった動物つれてなかった?」
「うん、いたいた。真っ黒いの」
「犬かな?」
「さぁ……」
「犬………」
「どうした?リラン」
少年は後ろをついて歩く、真っ黒い動物に、ちらっと目を向けて話し掛けた。
話し掛けられた動物、リランは
尻尾のようなものをしょんぼりさせ、ふさふさと揺らす。
「あの娘ども……オレをあの下等な生物、犬と言いおった……許せん……オレへの侮辱だ」
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