もう一人の零員

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「──っ!千里!!」 班長が身を乗り出して叫んだと同時に、千里はナイフを振り上げ 「─────…死ね」 些原に向けて、一直線に銀色の 閃光を奔らせた その時 「「止まりなさい 千里」」 甲高い、澄んだ女性の声が 頭に響いた すると 「やっと出てきたか……」 ボソリと班長が呟いた。 俺はその言葉に反応し、班長を 見る。 班長はじっと千里の方を見据えていた。 その視線につられて千里を見てみると、そこには、些原の喉元の寸前でナイフをとめている千里の姿があった 「……なんで…」 混乱する俺、神野凪。 あんな勢いよく振り下ろしたナイフが、喉元ギリギリで停止している… というより千里の動きがピタリと 止まってる まるで 誰かに動きを止められたみたいに
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