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「あの人が…………」
俺は和服美人……もとい、紫呉さんに目を向けた。
紫呉さんはパタパタ扇子を動かしながら、千里の傍へと歩み寄る。
依然、固まっている千里を眼下に映し、そのふつくしい唇を動かし千里に向けて言った。
「深海に沈めてやろうかしら」
「………………」
は い?
えーと………何だろ
俺の聞き間違いかな?
何か今、黒い発言を聞いたような……
まさかねー
あんな美しくて清流のように清らかそうなお姉様がそんな沈めるだなんて黒いこと……
「海の藻屑……いえ、プランクトンの方がいいかしら…」
「………は…」
はっきり聞こえたぁー!
空耳とかベタな事起こらなかったぁー!
何か凄い悩んでる!
チョー真剣に悩んでる!
さっきまで怖かった千里が
小さく見えるぅぅぅ!!
「はっ、班長!」
俺は心の叫びが限界に達し、半泣き状態で班長に掴み掛かった。
班長は俺の言いたい事が分かっているのか、小さく頷いた。
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