もう一人の零員

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「うわ………んの馬鹿……」 班長は額を押さえ、あちゃーと 声を漏らした。 その行動を不思議に思ったが、 次の瞬間にはその意味を理解する事となる 「…ババア………?」 紫呉姉さんはヨロリとよろけ、口元を扇子で覆った よろめいた紫呉姉さん 扇子をパチンとたたみ、 たたんだ扇子で千里を差した そして 「「跪け。そして百回紫呉様と呼んだのち、そこの指名手配犯を連れ、収容所へ向かいなさい」」 「────…くっ…!」 二重に重なって聞こえる声… これって 『止まりなさい 千里』 あの時聞こえた声と同じだ…… 「え…………」 千里は握っていたナイフをポロリと落とし、立ち上がった かと思えば紫呉姉さんの前で膝をつき、地面に両手をつけ、頭を下げ……そして 「紫呉様紫呉様紫呉様紫呉様紫呉様紫呉様紫呉様紫呉様」 「……………」 「紫呉様紫呉様紫呉様……し、しぐれ……さっま……しぐ……ぐ、ぐ…………くそぉぉしぐれぇぇぇぇ!!!……サマ…」 「アハハハハハ、愉快愉快! どうした?千里よ まだ87回残っているぞ」 「これは……一体……」 何のプレイ? 着物を着た和服美人の女王様に 黒服イケメンの騎士が 虐められている─────…!!
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