もう一人の零員

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「ゼェー………ゼェー………っ、し、ぐれ……さ……ま…」 ───バタ 千里は力尽きた。 どうやら百回言い終えたらしい 酸欠だ……チアノーゼだ あんだけハイスピードで、しかもほとんど息継ぎなしで連呼してりゃ、酸欠にもなるよ まぁこんだけ紫呉様言わせときゃ紫呉姉さんも満足っしょ! そう思った俺、神野凪であったがまだ終わらなかった これはまだ序の口だったのだ… 「………くそっ」 千里はまだ肩で息をしているにも関わらず、何かに奮い立たされるかのように立ち上がった。 そしてふらふらと、倒れている指名手配犯、些原に向かっていく。 『跪け。そして百回紫呉様と呼んだのち、そこの指名手配犯を連れ収容所へ向かいなさい』 跪いて百回紫呉様言って…… 次は些原の収容か…… 千里は些原を俵担ぎし、ゆっくりと歩き出した。 それをじっと目で追う紫呉姉さん 扇子をパチンと折り畳み、言った。 「「収容所まで時速50㌔で走れ。些原収容後、第七鍛練所で地獄のフルコース30セット」」 「…………ふ…」 ピタリと止まる、千里くん そして 「ふざけんなあああぁあああ!!!」 ドドドドドドドドドドド──… 物凄い速さで走り去っていった。
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