もう一人の零員

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班長は、ん?と首をかしげながら俺の顔を覗き込んできた。 俺はじぃっと班長を見た。 「な、何だよ?」 「…………」 『あれはお前のせいじゃない! お前がやったんじゃない!! あいつもそう言っていただろう! あいつが最後に何を言ったのか、忘れたのか!?』 「─────…班長」 「あ?」 『俺が殺したから』 千里はあの時、確かにそう言った 班長は千里にお前のせいじゃないと怒鳴った それでも千里は、一生苦しんで生きていかなきゃならないって… 救われたいと思うことも 許されないって……言った 「班長……」 あいつに何があったんですか なんで 「4年前…」 なんであいつは 「4年前班長たちに何があったんですか…?」 あんな悲しそうに笑うんですか─────…
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