prologue

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走り出すと同時に男は運転席へと2発発射する。 FN-Five-seveNから発射される弾丸は5.7mm×28弾SS190。 この弾丸は小銃用の弾丸を短くしたような形状で、高い初速で発射する為に高い貫通力を得る事が出来る。 100M離れた先からでもケブラー繊維で出来た防弾チョッキを貫通するとさえ言われているものである。 フロントガラスを撃ち抜き運転手を射殺する。 運転手を射殺する事で車の発進を遮り、足を潰す。 立て続けに運転席と助手席の中央部分よりやや下方へと向けて弾丸を放つ。 こういった車への襲撃を受けた際、人はまず体勢を屈める事で自分の身を守ろうとする心理がある。 特に車の後部座席に座っていると運転席と助手席のシートがある為に安心感を得やすいが、車という狭い中では体勢を屈める事で身動きが取れず、また屈める際に頭へと無意識に手を持っていきやすく、必然と頭を庇うようになってしまう。 結果、男が射撃した運転席と助手席の中央部分より下方には頭と体が収まるような形になってしまうのだ。 それを見越した上での射撃であり、先に記載した通り、FN-Five-seveNの弾丸は防弾チョッキすら貫通する代物でシートは何の意味もなく、FN-Five-seveNの弾丸は運転席と助手席のシート裏に隠れた組員へと撃ち込まれていた。
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