第一話 忘れられた罪

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「はぁ!?咲夜が行方不明!?」 「ええ、もう4日経つわ…」 レミリアは4日後に帰ってきた。 そこにいつもの迎えがいないと、 親友に話を聞くとそのような返事が帰ってきた。 「どういう事…? 咲夜が妖怪に拐われるなんて ヘマするとは思えないし…」 「いなくなったのは 買い物に出てからよ。 湖付近で咲夜が戦った痕跡があったのだけれど」 真相は謎のまま、そう言って水晶玉を見つめた。 「一体何がどうなってるの…?」 「そろそろ行くかな…」 青年は棺桶を背負って 紅魔館の前まで来た。 「門番がいたはずだが… メイド長不在でか?」 そんなことをぼやきつつ、 長身を館へと侵入させた。 「御機嫌よう、紅魔館当主」 「…誰よ貴方? 今私は忙しいんだ」 「フ…理由はこいつか?」 棺桶を立て、蓋を開ける。 中身を見た瞬間、 レミリアは目を見開いた。 「咲夜っ!!?」 棺桶に入っていたのは、 今まさに探していた人物。 身体中傷と痣だらけで、 両腕と右足は灰と化している。 気絶したまま運んできたようで、 蓋を開けた途端前に崩れ落ちた。 ピクリとも動かない咲夜の首に、青年は剣を突き立てる。 「動くなよ?」 「ぐっ…!」 唇を噛むレミリアを嘲笑う青年。 「あのレミリア・スカーレットがたかが人間一人でこの様か。」 「何が目的よ、卑怯者」 あくまでも強気な態度を保つ。 内面ではかなり焦っていたが。 青年の方は険しい表情になり、 レミリアを睨み付けた。 「卑怯者…? 貴様に言われたくないな。」 咲夜が僅かに動いたのにも構わず青年は続けた。 「なあ? 『同族殺し』の レミリア・スカーレット!!」
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