1章

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だから、今だけは 澪「うぅ……」 いつも私は律に頼りっぱなしだ……。 さっき体育館の申請用紙を出してないだけで怒っていた私が情けない…。 いつもあんなに強気なのにこんな時になるとすぐ律を頼るのは私の悪い癖だ…。 でも… ガンッガンッガン! 澪「やっぱり怖いよ…律……」 「いつも言ってるだろ?澪は私が守るって」 澪「えっ……」 律「どりゃああああ!」 考えなしにただ突っ走る。 構えた鉄のドラムスティックを掲げ、 澪を襲う化物に一発くれてやる───。 女子トイレの一番奥の扉の前にその化物はいた。 それは前は私達の顧問で面白くて綺麗なさわこ先生……だった。 でも今は違う、目も白目で肌から肉が覗き足首は明後日の方向にねじ曲がっている 躊躇なくドラムスティックを延髄に叩き込む 「ウグゥ……」 さすがのゾンビでもこれは利いたのか前のめりになって倒れ込む。 律「澪!いるんだろ!早く!」 ガチャッ…… 澪「う、うん」 澪「律……なんで…」 律に手をひかれながら聞いた。 律「澪センサーが反応したんだよ。な~んてな」 澪「ばか…」 そうじゃない…聞きたいのは私が何であそこにいたのがわかったとか…そんな表面上なことじゃないんだ 澪「律…なんでいつも私を…」 律「言わなくても澪が言いたいことはわかるよ。でもそれはわざわざ聞くことじゃないよ」 澪「えっ……」 律「澪は私が守るって私が決めたことだから。ずっと昔からね。私自身が決めてることだから」 澪「りつぅ……」
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