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「…いつまで泣いてんだよお前ら」
ロッカールームに響き渡る部員の嗚咽。
「…だって…、
キャプテンっ……」
部員の言葉は涙で途切れた。
「…だってもヘチマもねぇだろ。
負けちまったもんはしゃあねぇよ!
…あーもー、
男がいつまでもメソメソしてんじゃねぇ!
…泣くな泣くな!
お前らには来年もあるじゃねぇか!!」
「…キャプテン…」
「オレぁもう、
この試合を最後にキャプテンは引退だ。
甲子園、連れてってやれなくてすまねぇな!
最後にホームランなんか打たれちまってすまねぇな!
…ったく、
お前ら、サッサと帰り支度しろよ!
いつまで泣いてんだよ!
球場の人に迷惑だろ!?」
「…は、…はぃ…」
消え入るような返事を返し、部員たちはいまだに嗚咽を漏らしながらノロノロとバッグにグローブやスパイクを詰めはじめた。
「…あー、
辛気臭ぇなぁもう!
オレは先に帰るぜ!
来年は甲子園行けよ!
…じゃあな!」
彼はぶっきらぼうにそう言い放つと、ドアをバタンと激しく閉めてロッカールームを後にした。
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