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『貴方がいたから‥私はもう一度私として生きていけるの‥』
『LOST』の主人公が、新しい恋人に言った言葉。
私は、主人公に海紗を重ねていた。
海紗が藍音を想い続けているのだとしたら‥
私にはこの台詞が必要だった。
「藍良」
海紗に呼ばれて、ハッと我に返る。
「ん?」
「そろそろ帰らない?お腹空いちゃった」
「そうだね」
本を戻して立ち上がる。
歩き始める海紗の背中を見ながら、自分の想いをぐっと胸の奥に押しやった。
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