再開

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「奪っちゃった~‥」 唇を離した海紗が、ニッと笑った。 私は金魚のようにただ口をパクパクさせることしかできない。 「でも奪ったってのはいただけないよねぇ」 「へ‥?」 ずいぶん間抜けな返事が漏れた。 「私は、自分の気持ちを藍良に『あげた』のに」 「あげた‥?」 「そう。与えたとも言う」 次の言葉を聞いた瞬間、私は涙が出そうになった。
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