【1】覚醒

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神奈川県の最北に位置するこの村、明波村は高齢者ばかりの村で、そのため病院などの医療関係の建物が多い。 私の本体とも言える桜の大樹があるのも、村一番大きいと言われている病院の庭。 2月中旬だというのに花壇に植えられた花達は生き生きと咲き誇っている。 この庭一帯、春のムードが漂っているけどそれも私のおかげ。 昨年の桜の花びらが、土に還り、肥料になる。 この肥料があるから、この花壇があるといっても過言では無い。 「少しは感謝して欲しいわ」 そう花に呟く。 「さてと、桜が散るまでの時間をどう潰そうかしら、久しぶりの日の下だし、日光浴でもしようかな」
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