21人が本棚に入れています
本棚に追加
「今年も、なのね」
毎年毎年うんざりさせられる。
去年もその前の年も、あの病室にはこの時期に患者がやってくる。
この桜が咲く頃に。
私が覚えているだけでも30年間毎年、それも同じ病で。
あの病室はその病の患者を収容するための専用の病室に今はなっている。
謎の奇病、風土病などと噂されるが実際のところなにもわかってない。
ただ、桜が咲く頃に発病し、桜が散る頃に死ぬ。
そのことから桜病と呼ばれ、村の一部では病でなく呪いと呼ばれているようだ。
最初のコメントを投稿しよう!