第一章

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女 「どうする?」 一団の女が 皆の心中を代表するように 開かれたままの 扉を見つめながら 口を開いた。 すでに 『奇襲』が露見している以上 彼らの任務は半分以上 失敗だ しかし そんなに簡単に放り投げて 逃げ帰る訳にもいかない。 彼らは 『連合国』のある王国からの 正式な依頼で ここに訪れている。 『暗殺』が失敗して 命からがら逃げ帰るのと ここで 城主に会わずに 帰るのとでは 似ている様で 全然 変わってくるのだ。 前者なら 勇敢に戦ったと言う 名誉ある敗走だが、 後者なら ただの臆病者として この先 後ろ指を差され続けるのだ。 そんな事は 『武』に生きる者としては 耐え難い屈辱だ。 そこまで考えて リーダー格の男は 口を開いた リーダー 「……行こう。…」
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