第一章

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扉をくぐり抜けると 中庭になっていた。 大きな噴水が 中央に備えてあるだけで 後は 芝生が広がっているだけの 殺風景な庭だ。 そして、 噴水の前で 先程のメイドが 彼らを待っていた。 メイドが 彼らを確認すると 再び ニコリと微笑んで 歩き出した。 一団は 警戒しつつ そのメイドの後に続いた。 そこで 初めて リーダー格の男は メイドを 注意深く 観察する余裕を得た 年齢は おそらく十代後半 腰まである 長い金髪を 揺らしながら 一団を先導している。 扉や噴水で ちらりと見たところ、 彼女は おそらく 『人間』だろう。 おそらくと 言うのは 彼女には『亜人』によくある 獣の耳や尻尾が 見当たらないから と言う理由だが… そして メイド服に身を包み 当然と言うべきか 武装はしていない。 実は リーダー格の男は 彼女に何度となく 殺気を飛ばしているが 気づいているのか いないのか 彼女の歩みは カケラも 淀みがない。
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