第一章

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メイド 「こちらです」 メイドの少女は 城の正門を開くと 再び 歩き出した。 中庭から見上げる城は とてつもなく巨大だった。 山をそのまま 要塞としているだけあって その全容は伺い知れ無い。 壁は 黒を基調としているが 別の角度から見れば 山に偽装されているのが 見て取れる。 そして、 所々 山の斜面に 小さな穴が空いていて そこから 砲身が覗いている。 おそらく 湖上迎撃用の大砲だろうか。 周囲は広いとは言え 湖だ。 水上戦力を集めて 制圧しようとすると 必然的に密集する事になる。 そこに 大砲を撃ち込まれては ひとたまりもなく 撃沈する事になる。 運良く 城に近づけても 周囲は切り立った崖の為 上陸に難儀するだろう。 そこでやはり迎撃される。 『難攻不落』とは 正にこの城の為にある言葉だと 言っても過言ではない。
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