第二章

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メイドの朝は早い。 先日 久しぶりの 『客人』を迎えたので 通常の業務は僅かに滞ったが 翌日には いつもの朝を迎えていた。 彼女…… この湖上の城 『グラン・ブルー』で侍従 つまりメイドをしている少女 『マリアベル』は 自分に与えられた城の一室で 身仕度を整えていた。 個人で使うには 多少 広い一人部屋で 制服である黒いメイド服に 身を包み (誰も 強要してはいない) 長い金髪を ヘッドドレスとヘアピンで まとめていた。 彼女は 朝の空気と この部屋からの景色が好きだ。 彼女に与えられた この部屋からの景観は 『グラン・ブルー』の中でも とても良い部類に入る。 この城で勤めるに当たって 彼女が唯一 要求したのが 『景色』だった。 この絶景は 彼女に朝の活力を与えてくれる マリアベルは 簡単に自分の食事を済ませると ティーセットを用意して 自分の主人の部屋へと向かった
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