第二章

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アリスは木刀を 一心不乱に素振りしている しかし ただ がむしゃらに 振るのではなく 木刀の剣先にまで 精神を集中し 一振り一振りに 『魂』を込めるように 張り詰めている。 あたかも 目の前に 明確な目標が見えているように これが アリスの『剣術』における 『天才性』だと マリアベルは思う。 身体能力は あくまで生まれついてもの 言うなら 父親の『遺産』であり 彼女の『背骨』だ。 彼女の『才能』とは こんな単調で単純な作業にも すべて 意味を持てる事。 『魂』がこもっているからこそ その一振り一振りが 彼女の 『血』となり『肉』となる。 故に 上達が恐ろしく早く、 飲み込みが早い。
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