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老人は吃驚したような顔を浮かべた。
『黄巾党の事をご存知ないのですかな?』
黄巾党といえば三国志の時代か?
「いや~、重ね重ねありがとうございます。黄巾党は知ってますよ。ここもやはり狙われてるんでしょうか?」
そういうと老人は疲れきった顔をした。
『そうですじゃ。この街は何度も狙われ、その度に金と食糧を渡し何とか街の安全と引き換え凌いできましたが、もう街の蓄えも無く街が危険な状態にあるのですじゃ』
「街の役人達は?」
『役人や兵は皆、私財を抱え逃げていってしもうた。優士の少ない兵のみが残っていただき街の治安は何とか保たれているのですが、戦となればどうなるか・・・・・・』
「そうですか、では」
俺は老人に礼を言おうとすると、それを遮り辺りに大声が響いた。
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