土方歳三の章

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 紅葉は土方本人に「悩みの種」と言ってしまったことを少し後悔していた。  でも本当のことだもんね。  土方さんが現れてからペースが乱されっぱなしで・・・・  あれ?  乱されるようなことされたっけ?  最初はそうだったけど、彼は祖父に従順に師範を勤めて・・・・・・  じゃあどうして乱されるの? 「面白い顔」 「は?」  突然土方に言われ、紅葉は土方を見上げる。 「やっと俺を見たな」  土方は穏やかな笑みを浮かべていた。  紅葉の心臓がどくんと音をたてる。 「最近、目も合わせてくれなかったからな」 「そ、そうでしたか?」 「ああ。だから嫌われてしまったのかと」 「べ、別にそんなわけじゃ・・・・」  そんな風に思われてたんだ。  紅葉は少し反省した。
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