一声

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冷たい…… 『……こ……こは?』 ザクッ…… ……雪だ 私は雪の上で寝てたの? どうりで冷たいわけか…… 『……でも、なんで寝てるの』 確か私は庭に出て、それで…… 『そういえば、ここどこ』 周り一面雪景色 私が知ってる所じゃないのは確かだった ……また、私は一人 『――静寂が 街を包む夜に 降り注ぐ 白』 かざした手のひらに 触れた 瞬間に 解けていく 儚い ヒトカケラ オトもなく 積もる ヒカリを 集めて 君は 笑う 今 どんな オト? 答えたって 君は もう何も キコエナイ 苦シイって言ってくれよ 寂シイって言ってくれよ 迎えに行く どんな処へも… 逝かないでよ 何処へも 置いていかないで… 僕らずっと 二人で一つだろう…? 降り積もる 雪とともに 消えてゆく 君を 抱きしめることしかできないよ 叶うなら もう一度だけ 君の声が 聴きたい モウイチド タダイチドダケ… ヨンデヨ… 虚ろって 彷徨う瞳に映った ヒトシズク 灰色の セカイ 止まったまま 雪だけがそっと 降り注ぐ 冷たくなっていくよ 戻らない そのコエ 解け合う事も 許サレナイ 俺のコエを聴いてよ また笑ってよ 涙さえ 枯れ果て 君のこと トカセナイ… 叶うならこの声 全て 奪い去って 愛しい人へと与えてください
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