一声

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「……おい、小十郎」 「なんでございましょうか」 「……声、聞こえねぇか?」 「声……ですか」 「ああ……ちょっくら、出かけてくるぜ」 「お、お待ち下さいませ!政宗様!!」 「…………?」 「どうしたの旦那?辺りをキョロキョロと……」 「佐助、何か聞こえなかったか?」 「何かって言うと?」 「……声だ。悲しそうな、そんな」 「ん?……何か聞こえるな」 「キキッ!」 「お、お前もそう思うか夢吉」 「………おい、今誰か喋ったか?」 「は?何言ってるんですかアニキ。皆、忙しくてそんな暇ありゃしませんって」 「……それもそうか」 「……………気のせいか」 「……何か、聴こえるね」 「どうかしたか?半兵衛」 「何でもないよ。秀吉」 「…………悲しい声ですね」
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