桜を見に

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そっと、私のお腹を撫でながら、囁く声。 「大丈夫だったかい?ママは、ちっさい頃から、ずっと、そそっかしかったから、パパすごく心配なんだよ」 囁く声は、お腹を通して、私に聞こえているみたいで、私とこの子、この子とあなた、あなたと私、みんなが一本のへその緒で繋がっている気がした。 「あの、はっきり聞こえているんですけど。そそっかしくて、ごめんなさい。でも、あなたもおんなじぐらい、そそっかしくて、おっかなかったでしょう?」 私の声に悩む、あなた。
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