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俺はひとまず自分が置かれた立場を振り返ってみた。
まず、現実か夢か、よく分からないが不思議いっぱい夢いっぱいな世界に迷い込んだ。俺はその迷い込んだ場所に最寄りの町であるシリウスにやって来た。
「やっぱまだ信じきれねーな…。仮に現実だとしたら、なぜここに連れてこられた?いや、そもそもどうやって?」
この状況だと謎しか出てこない。ノーヒントで謎を解くゲームじゃないんだから、やっぱヒントが欲しいところだな…。
とりあえず俺はアズサにこの世界について聞こうとした。すると、
「はぁ?頭大丈夫?」
と言われてしまった。ムカつくからデコピンしてやった。
「………はぁ、仕方無い。文献とか探すか」
読めないんだが。とりあえず無いよりマシだ。いや、やっぱ読めないし意味無いか…?
「…ねぇ、もしかして記憶喪失なの?」
いや、ちゃんと記憶はあるんだが。しかし、そういうことにした方が好都合な気がした。話を合わせよう。
「………かも知れねーな。しかも重症なようだ。名前以外朧になっている(名前自体が偽りなんだが)」
適当にそう言ってみた。おかしい場所は無い…よな…?
よく見ると、アズサが泣きそうな顔になっていた。何故だ。
「そんな経緯があったなんて…。ごめんなさい、色々教えてあげるわ…グスッ…」
………涙脆い奴だな。
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