一週目 ‐突然始まるファンタジー‐

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「まず、何から話したらいい?」 アズサは聞いてくる。なにから聞けば良いのやら…。 「………そうだな。発達しているのは科学なのか?」 「かがくってなに?」 やっぱ異世界だ。信じられねーがここには科学は存在していない。 マジかよ…。つまりここにはパソコンもない、ケータイも…いや、あまり使わない俺には被害はないか。他にも電気やら何やら…。 絶望的だ。神は俺を突き落として楽しいのか?神なんざ信じたことは一度もないが。 「…で、次だ。ここは魔法が発達しているんだよな?見たところ」 「うん。というかアンタって元々学者だったのかもね。そんな昔の事ばっかり言うし」 いや、ただのゲーセンが好きな高校生男子だが。というかこの年で学者ってあり得るのか?いや、まず無いに決まってる。そもそも俺学力は微妙で勉強嫌いだしな。 「じゃ、次だ。金はどうすれば稼げる?」 仮にこれが夢だとしても、稼いでおいて損はない。現実だったときに働かないでろくな飯が食えなかったらどうしようもない。 「お金は向こうのギルドとか、お店でアルバイトすれば貰えるよ」 「ギルドって何だ?」 「組合の一種だよ。ここのギルドは会員制じゃないから旅人とかが好んでいるんだよ。私もここの仕事をやってる最中なの」
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