もし俺がファンタジーの世界に迷い込んだら

冒頭 ‐その日にあった現実‐

目が覚めた先、それは当然ながらベッドの上だ。それ以外の場所にいてたまるか。

時計を見たら８時を回っていた。寝る前は確か午前二時だったな…。ざっと六時間の睡眠か。よく寝たのか？多分十分だな。

今日は日曜ということで、早速ＰＣを起動だな。現代人ならＰＣくらい使えないと時代についていけないぜ。

お袋は…仕事か。シングルマザーだからな。親父の分まで頑張ってくれ。

………と、ここで俺の家族について紹介しておくぜ。

俺は至って普通の高校生…から少しファンタジー傾向がある。分かりやすく言うなら、不思議なことが人一倍好きなんだよ。

俺のお袋は設計士をやっている。よく都会の施設の設計を任されているとか。

そして、紹介する気はなかったが、一応妹もいる。三つ下で、俺とは違い現実至上主義。有り得ないことは全否定する、悪く言えばつまんねぇ奴だ。

親父は数年前にお袋と別れ消息不明。話によると仕送りが来るのに音信不通で、完全に縁を切りたいのかそうでないのかはっきりしなくて困っているらしい。

ＰＣのデスクトップを見ると、友達からメールが来ていた。内容は『貸してたゲームを返せ』。そういや借りてたな。すまん、忘れていた。

とりあえずこれから返すことにしよう。やれやれ、秋とはいえ、外へ行くのは暑くて嫌だな…。