一週目 ‐突然始まるファンタジー‐

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「質問3。日本へはどうすれば行ける?」 日本に帰れりゃ後は容易い。さっさと帰らねーと学校がヤバイな。 「日本って何?」 そうきたか。先進国である日本を知らないとなると、相当の田舎か? ………いや、待てよ?何だか嫌な予感がしてきた。 「最後の質問だ。この近くに電話はあるか?」 「電話って何?」 確定だ。ここは俺の知っている世界じゃない。どんな国でも電話だけはある筈だ。それが無いとなると、ここは別世界となる。 そう考えていたら、アズサが喚き出す。 「もういいでしょ!返してよ!」 「ん?いや、まだ早いぞ?あと俺の言うことに従ってもらわないとなぁ?」 そう言って制止させる。 しかし、我ながら面白い条件をつけたものだ。何でも言うことを聞いてもらうことを良いことにこいつを………。 いや、止めよう。どう見たって十歳じゃないか。俺は犯罪者になる気はない。しかもロリ相手にしても面白そうじゃない。 「俺の命令は二つだ。俺を襲わない。近くの町まで連れていってもらう」 「いいよ。それだけなら」 あっさり承諾した。素直だな…。 俺は剣を返して、アズサと一緒にシリウスの町へ向かうことにした。 「ところでもう一つ質問してもいいか?」 「いいよ」 「お前、いくつだ?」 「16だよ」 マジか…。
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