幼なじみ

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鼻をくすぐるようなむずむず感と、吸い込んだ息が冷たかったことから意識がはっきりしてきた。 「んん……さむっ……」 あまりの寒気に自然と目が覚めてしまった。4月になったとはいえ、朝はやっぱり冷える。 それもそのはず……掛け布団がベッドの下にずれ落ちている。水色のカーテンで日差しが入らないようにしていたのも、一つの要因だろう。 もっとも、まだ日の光が強く射し込むような時間帯でもないのだけれど。 「ふぁ……」 あくびをすると、息がうっすら白くなる。 子どもの時はこの白い息を怪獣の吐く光線に見立てたり、煙草の煙に見立てたりしたっけ。 中学校までは煙草を吸う大人に憧れたけど、今では煙草は嫌いだ。 あくびをする事によって酸素が脳に運ばれたのか、ようやく頭がはっきりしてきた。 時計を見ると朝の5時20分。目覚まし時計の鳴る10分前だ。
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