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帰りの車の中、
「そう言えば…
お前、あの進路希望なに?」
「…え…何って…」
赤信号で止まった龍之介が、横目で紗奈を見る。
「なんで、第二希望しかかいてねぇの?」
煙草の灰を灰皿に落とし、再び口にくわえ、ハンドルを握った。
「それは…」
「それは?」
「完全に決めた訳じゃないから…」
「だから、第一希望は空欄で、第二希望が専門学校の保育科な訳?」
「…そう。」
「ならそれが、第一だろ…。まったく…」
「いや、だって…」
龍之介は少し呆れた表情を浮かべたまま、溜め息をついた。
「保育士になりたいのか?」
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