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「今日ってなにすんだ?」
「あー?始業式やって、ホームルームやって終わりなんじゃないか?」
オレは日向に背中を向けて荷台に座っている。
この後ろから景色が流れていく感じが妙に好きなんだ。
「じゃあすぐ終わんのか……ちっ、どっちみち部活か」
「ま、がんばれよ高校球児」
そうこうしていたら途中でゆりを追い抜いていた。
自分を抜いた自転車の乗り手がオレ達だとわかったゆりは声をかけてきた。
「あたしも乗せなさい!!」
朝イチでいきなりそれかよ……。
「わりーなゆり。こいつ、定員二名なんだ」
オレは離れていくゆりにひらひらと手を振った。
その数メートル後ろで野田がこそこそしてたのは、秘密だ。
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